行政機関のあっせん制度

「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」に基づき、行政機関が提供している迅速な労働紛争の解決のための制度です。労働紛争に関して知見を有する者が、労働紛争の解決のために関与することになります。この手続のメリットは、手続費用がかからず、迅速な解決が期待できる点にあります。ただし、合意による解決を目指す手続であり、合意を形成できなかった場合に、第三者が判断を下すことによって解決するという機能はありません。

労働審判

解雇や給料の不払いなど、事業主と個々の労働者との間の労働関係に関するトラブルを、迅速、適正かつ実効的に解決することを目的とする裁判上の手続です。

裁判官1人と労働関係に関する専門的な知識と経験を有する労働審判員2人で組織された労働審判委員会が、原則として3回以内の期日で紛争について審理し、話し合いによる解決に至らない場合には、事案の実情に即して労働審判を行うことになります。

労働審判は、確定すれば通常の判決と同様の効力を有しますが、審判後2週間以内に当事者から異議の申立てがあれば効力を失い、訴訟に移行することになります。

通常訴訟の場合、結論が出るまで1年以上かかることが通例ですが、労働審判手続では3ヶ月以内に結論が出ます。労働局等におけるあっせんの場合、出頭しなければ手続は打ち切りになりますが、労働審判手続では会社側が出頭しない場合でも手続が進み、審判が下されます。

労働審判手続は、3ヶ月以内に結論を出すために、第1回目の期日が決定的に重要となり、申立書や答弁書において主張を出し尽くし、その主張を裏付ける証拠を出し尽くす必要があります。

タイムリミットは、裁判所から申立書と呼出状が届いてから1ヶ月です。

タイトなスケジュールになりますが、その間に、主張すべき事実の整理を行い、提出すべき証拠を揃え、リハーサルを実施し、全力を尽くす必要があります。

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