譲渡制限株式の売渡請求

株式の譲渡制限は、相続等により株式が承継される場合を対象とするものではありません。そのため、株式の譲渡に制限のある会社であっても、創業者に相続が生じ、それを原因として好まれざる者が株主となり、内紛が発生することがあります。

これを予防するためには、定款において、相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者(以下「対象株主」といいます。)に対し売り渡しを請求できる旨を定めておく必要があります。

上記の定款の定めがある場合、会社は、一般承継があったことを知った日から1年以内に、株主総会において、①売渡請求を行う株式の数(種類株式発行会社の場合ては、株式の種類及び種類ごとの数)、②対象株主の氏名または名称につき、特別決議をとった上で(売渡請求の対象者は、当該決議において議決権を行使することができません。)、売渡しを請求することができます。 売買価格は、当事者間の協議又は裁判所において定めることになります。裁判所に対して売買価格決定の申立てをする場合、売渡請求の日から20日以内に申立てを行う必要があります。

なお、売渡請求によって自己株式を取得する場合にも財源規制が及び、剰余金分配可能額を超えて買取ることはできません(財源規制に違反した場合には無効となります。)。

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