名義株の争い
会社の設立時又は新株発行時に、他人名義で株式を取得した等の経緯により、真の株主が誰であるのかが問題となることがあります。誰が株主であるかについて争いがある場合には、株主権確認請求訴訟を提起することになります。
真の株主が誰であるのかは、以下の事情を総合考慮して判断されることになります。事案の内容によっては、以下の事情に含まれない個別事情が判断に影響を与えることもあります。
- (1)取得資金を拠出したのは誰か
- (2)名義を貸した者と借りた者の関係性
- (3)名義の貸与に関する合意の内容
- (4)株式取得の目的
- (5)招集通知の発送状況
- (6)議決権行使の状況
- (7)配当金等の支払状況
- (8)名義借りの理由の合理性
平成3年4月1日施行の商法改正以前は、株式会社の発起人の最低人数が7名とされていたため、人数合わせのために名義を借りるということが頻繁に行われていましたが、同改正によって発起人の最低人数が1名で良いとされたことから、平成3年4月1日以降の事案に関しては、名義株であり、真の株主は別人であると判断されるには相当の根拠が必要であると考えられています。